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であったもの

 

ぴんぽ―ん。
フラットメンバーが今いるのは、夏美宅前。みんなで年越しをしようということで、夏美が呼んだのだ。
「はーい。あ、みんないらっしゃいあがって。」
出迎えてくれたのは夏美と、夏美によく似た、姉の加奈子。
「どなたですか?ナツミ。」
「あとで紹介するからとりあえず、みんな入って。」
どやどやと入ってきたフラットのメンバーたちは、リィンバウムの服
装ではなく、こっちのものだった。こっちに遊びにくるときは、これ
を着てくるようにと、ナツミが以前みんなにプレゼントしたのである。
「加奈姉、努。この人たちが、前に話したリィンバウムの人たち。」
ぺこり加奈子と努がと会釈をすると、フラットのメンバーも、
「よろしく〜。」
といった。


夕食の準備をするため、人数を数えていた夏美は、モナティがいないことに気が付いた。
「モナティがいないよ?リプレ、モナティは?」
「あ、そうだった。ちょっと待って。」
リプレは山積みにされているカバンのほうへ行って何か取り出してきた。
「はいこれ、モナティからの手紙。」
「モナティどうかしたの?」
「いなくなっちゃってさ。とりあえず開けてみて。」
手紙を開き、文章に目を通した夏美は、困った顔をした。
「モナティ、今王都にいるんだって。ギャミングにあって、しばらくは帰れないみたい。」
「大変じゃない。」
「その人の名前は、トリスさんって言う人らしい。」
「ま、何とかなるでしょ。」
へらっと夏美は笑ったが、内心はいやな予感でいっぱいだった。
「何とかなるじゃないだろうが、ナツミ。」
ぽんとナツミの頭に手を置いたのは、バノッサ。
「俺は、はっきり言うと、いやな予感がするんだ。おまえもそうなんじゃないか?」
「・・・うん。」
「もう一度、何かが起こるような気がしねえか?」
夏美は、少し考えた。このまま、モナティを待つか、それとも、迎えに行く
か。否、何かが起こるような気がする。それを確かめるため、リィンバウ
ムへもう一度いこうと、ナツミの考えはまとまった。
「バノッサ、年が明けたらすぐに、リィンバウムへ行こう。あたしも、いやな
予感がするの。それを確かめたい。」
「どうせそういうと思ったさ。じゃあ、年明けしたら行こう。」
夏美は、ホニョリと笑うと、
「夕食、何がいい?」
とみんなに聞いた。


年が明けるとすぐ、皆にこの事をいった。フラットのメンバーは、一緒に行くと言ったが、断った。
「今回の目的は、その予感を確かめるため。その起こることがわかったら、皆を呼ぶよ。
偵察だし、そう危ないことはないと思うの。だから皆は、サイジェントで待ってて。」
心配そうな顔をする者もいたが、ならべく危ない目にあわせたくないといくナツミの気持ちが解っていたから、皆頷いた。
バノッサと夏美が、リィンバウムへ行くための準備をしていると加奈子と努が入ってきた。
「夏美、私も連れて行って。」
「え?」
「その、いやな予感っていうのはよくわからないけど、すごく心配なのよ。家で待ってるなんて、絶対に嫌だから。」
夏美は、少し考えて、
「危ない、危険な目にあうかもしれないのよ?それでもいい?加奈姉、努。それで
もいいなら、ついて来ていいよ。」
「「じゃあ、準備してくる!!」」
バノッサは、心配そうな顔をして、
「おい、大丈夫か?」
と夏美に聞いた。
「うん、加奈姉は、格闘技のトップクラスの選手だし、努も、剣道の大会で優勝し
てるから。」
ま、行けば何とかなるでしょ、と夏美は、笑っていった。


「なによここ、普通の街じゃない。」
加奈子は、少しがっかりしていった。
「それは、ここが街だからよ。場所によって、出るはぐれも違うし、はぐれが出る
かでないかは、そのときの運しだい。」
夏美は、レヴァティーンが契約されたサモナイト石を探しながら言った。
「私たちが、今日行くところは、王都のゼラムってところよ。手紙によれば、モナティは、ゼラムにいるって。」
「とりあえず、ミモザさんやギブソンさんに、聞いてみるのですね。」
カノンは、王国の地図を見ながら言った。
「うん、それじゃあ行くよ。『レヴァティーン』!!」
レヴァティーンは、空高く舞い上がった。
いくら、レヴァティーンでもゼラムまでは、4時間かかる。最初は前を見ていた夏美は、ウトウトしはじめ、
5分後には、バノッサに寄りかかっていた。
規則正しい寝息を立てて、眠っていた夏美を見ていた加奈子が、突然バノッサに話かけた。
「ねえ、バノッサ君。」
「何か?」
突然話かけられたバノッサは、びっくりしていた。
「あんたたちってさ、どういう訳でひっついてんの?」
「ひっついてちゃだめか?」
「そういうのじゃなくて、何がきっかけで知り合ったのかって聞いてるの。」
「俺らの予感があたれば、そのうちにわかるさ。」
「そう・・・。今は話したくないってわけか。」
「すまんな。」
「じゃあ、私も一眠りするから、あとお願いね。」
「今、話したら、きっと混乱するだろうな。」
バノッサは、そうつぶやいた。


夏美一行は、ゼラムの商店街にいた。
「とりあえず、ミモザと、ギブソンに、挨拶しに行きましょ。」
夏美達が、商店街を出ようとすると、
「マスターーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
という可愛い高い声が、後ろから聞こえた。
夏美が振り返ったと同時に、なにかに抱きつかれた。モナティだった。
「マスター、会いたかったですの・・・・。」
夏美は、よしよしと、モナティの頭をなでながら、
「久しぶりね、モナティ。トリスさんは?」
「モナティ、どうしたの?」
モナティの後ろから、一人の女性が声をかけた。
「あ、トリスさん。」
「勝手にいなくなっちゃだめじゃない。」
「ごめんなさいですの。あ、トリスさん、この人が、モナティのマスターですの。」
「あ、え、えと・・・。あなたが、モナティのマスターさん?よろしくね。」
「よろしく・・・。と言いたいとこだけど、あそこからすごい顔でやってくるのは誰ですか?」
めがねをかけた青年は、競歩並みの速さで、こっちにやってきた。その青年は、
トリスの目の前に仁王立ちになるなり、「君はいったいどこに行くんだーーーーーー!!」
と、トリスに怒鳴った。
「ネス、お説教は、後で聞くから、とりあえず、モナティの、マスターさんに挨拶してよ。」
「え?あ、どうもすいません。お見苦しいところをお見せしてしまって。」
とぺこぺこ謝った。
「僕の名は、ネスティ・バスクです。よろしく。」
「あ、こ、こちらこそ。」
挨拶をぺこぺことしたあと、
「とりあえず、帰りましょう。」
と、トリスが言った。


ギブミモ邸につくと、長い茶色の髪をした女の子と、トリスと、よく似た制服を着た男の子、
小さい悪魔が、出迎えてくれた。
客間で、自己紹介し終わったマグナ達から離れていたのは、悪魔のバルレルだった。
「皆の話にはいらないのか?」
と、マグナが誘ったが、バルレルは、ぶんぶんと頭を横に振った。
「あの、バカップルが、怖いからいい。」
「え?」
「あいつらから、サプレスの匂いが、ぷんぷんするんだよ。」
「なんだって・・・。」
マグナは、バノッサと夏美をみた。