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フレイヤ奮闘記U

「聞くの忘れてたけど、アメルってどうして狙われてるの?」
夏美は思い出したようにトリスとマグナに聞いた。
「多分、あの癒しの力を狙ってるんじゃないかと思うんだが。」
「癒しの力?」
「アメルには、傷や病気を治す力があるんです。その力を利用しようとか思って、
狙ってるんじゃないかと思うのですか・・・・。」
「ふ〜ん。その力は生まれたときからそなわってたの?」
夏美は、メモをとりながら言った。
「いいえ、本人は1年ぐらい前からと・・・・。」
「「一年前?!」」
バノッサと夏美は驚いたように聞いた。
「どうかしたのですか?」
「いや、なんでもない。」
バノッサは少し考え込んでいたが、突然思いついたように、夏美に抱きついた。
「ちょ、バノッサ?!」
「ナツミ、俺今日ピラフが食べたいなあ。」
夏美は、あきれたような顔をしたが、
「仕方ないなあ、モーリンさんに台所使っていいか聞いてくるよ。」
「うっしゃ。」
夏美は、モーリンのいる道場に行った。
「「ぴらふってなんですか?」」
トリスとマグナは声をそろえてバノッサに聞いた。
「んー、料理のこと。」
「「どんな?」」
「ま、食ってみりゃあわかるって。」
ダダダダ、と夏美がかけてきて、
「台所、使っていいって。というわけで、私はこれから町に食料品買いに行って
きます。」
「あ、お手伝いしましょうか?」
アメルが、ひょっこりやってきた。
「じゃあ、お願いしようかな。」
「私も行きたい。」
二ミスまではいはーいと手を上げた。
「あたいも行きたいな。そのぴらふっていうの、おいしそうだし。」
続いてモーリン。
「私も、気晴らしにいっていいかしら。」
ケイナもやってきた。
「「皆が行くなら私も行くー。」」
「モナティもマスターのお手伝いをしたいですのー。」
加奈子とトリスとモナティも言った。


下町を、女性群一行は歩いていた。
「ねえ、モーリンとナツミって、どうやって知り合ったの?」
ミニスはふと思いついたように夏美にきいた。
「下町見てたらさ、たぶん海賊と思われる男がさ、酒屋のおっちゃんに暴力ふる
いかけてて、そこを止めようとしたら、モーリンも一緒にとめたんだ。」
「へえ。」
「いやああぁぁぁぁ!!!はなして、はなしてよ!!!私は謝ったじゃな
い!!!!」
突然、少女の声が聞こえた。
「ふん!!!そんなことなんざ、関係ねえ!!!!俺らは今無性に腹がたってん
だ!!!!」
「なんか騒ぎでも、起こってんのかな?」
「あの声、フレイヤの声じゃなかった?アメル?」
トリスはアメルに聞いた。
「私もそんな気がしました。」
「行ってみよう!!!」
トリス達は、走って、声のした方向へ向かった。
「はなして、はなして、はなして!!!!」
「ぎゃあ、ぎゃあ言うんじゃねえ!!!」
フレイヤは、頭にのっていた、小さなイノシシを、頭からはずすと、何か、命
令を出した。
「ぷきゅ!!」
イノシシは、空に飛び上がると、男の顔面にねらいを定め、大きくなりながら、
急降下した。
ずごん!!!!
という音とともに、男は倒れ、イノシシは、ぬいぐるみサイズになった。
「ぐりんちゃん、よくできました。」
ふいー、と汗を拭いているところに、トリスたちが、駆けつけてきた。
「あ、トリスさん!!!」
ぽすっと、ぐりんを頭の上にのせると、トリスの方向へ走った。
「やっぱりフレイヤだ。」
「トリスさーーーーーーーん!!」
「良かった、ちゃんと来てくれたんだ。」
「うん!!」
「この、くそがきゃあ!!!」
後ろにいた、男がむくりと起き上がり、あ、というような顔でこっちを見た。
「あ、あんた昨日はよくも仲間をやってくれたな!!お前らに絶対復讐してや
る!!海賊を怒らせると怖いんだぞ!!!」
「全然怖くないんだけど、あんたそんなマヌケズラで一人だけで、そんなセリフ
言っても。」
フレイヤは、にやりと笑いながら言った。
「「「ぷ、くく、確かにそんな顔だと、ね。」」」
夏美とトリスと加奈子は、顔をそむけながら、肩をふるわせていた。
「か、かがみ、見てみなよ。」
ミニスは口をおさえてはいたが目がものすごく笑っていた。
ケイナは、しゃがみこんで震えていたし、モーリンは、手を地面にバンバンう
ちつけて、笑い転げていた。よくみると、店の定員や、通りすがりの人も笑っ
ている。男は、ガラスにうつった自分の顔をみてはっとした。あのイノシシに
突撃されたときかと思われる。おでこに、イノシシの鼻のあと、両方の頬に各
一個ずつ、イノシシのひずめのあとが、くっきりとついていた。
「ち、ちきしょう!!!覚えていやがれ!!!!」
うあーんと走り泣きながら、男はどっかへ消えた。
「あー、おかしかった。」
モーリンは、やっとこ起き上がり言った。
「さて、バノッサが待ってるし、フレイヤちゃんも帰ってきたし、さっさと、買
い物して帰ろうか。」
夏美は、走り回って買い物を済ませ、モーリン宅へ帰ってた。


「ただいまー。」
「おかえりー。」
バノッサはすっ飛んできた。
「さ、夕飯にしよう!!」
皆がどやどやと入っていくなか、フレイヤは、加奈子に聞いた。
「加奈子さんと、ナツミさんは日本人なの?」
「うん、そうだけど?」
フレイヤは、びっくりした様子で言った。
「驚いた、こんなところで、地上の人たちに会うなんて。」
「え?」
「あ、詳しいことはあとで話すよ。さあいこ!!」
努は夕飯をもぐもぐと食べながら、フレイヤをみていた。
「?どうかした?努さん。」
「いや、君が使っている錬金術が気になってね・・・・。」
「あ、私が使っている錬金術のこと?地上に存在しないだけで、神界には存在す
るの。」
「どういうこと?」
加奈子も興味津々だった。
「つまり、私がいた世界は、日本とか、地上じゃなくて、アースガルド、つまり
北欧神話の世界なんだ。」
「北欧神話だって?」
「うん。信じられないかも知れないけど。私が、錬金術が使えるのは、アースガ
ルドの住人だからだよ。」
「じゃあ、フレイやというのは北欧神話のふれいや神なのか?」
努は言った。
「あはは!!違うよ。年は違うけど誕生日が同じだから。」
ふれいや話を続けた。
「昔、オーディン様は、人間のために錬金術や召喚術を、創った。それは、人間
の生活を助けるためにね。そして一番最初に錬金術を習得したのが、私のひいお
じい様のニコラス・フラメル。」
「ニコラス・フラメルは死んだんじゃないのか?」
「縁起でもない事言わないでよ。まだ神界で生きてるよ。現役ばりばりの、錬金
術師として。」
「ウソだろ?!それじゃあ、1400年は生きてることになるぞ?!」
「うそじゃないよ、賢者の石を使えば。元に私だって、百年は生きてると思うし。
それにひいおじい様は、ホントは紀元前から生きてるもの。」
「えーーーーーーーー?????????!!!!!!!!」
一同は、皿を落とした。
「何に驚いてんの?」
「じゃあ、僕達の中で、最年長なのか?」
ネスティは、まじまじとフレイヤをみた。
「そうなるね。皿壊しちゃダメじゃん。はいはい、かしてね。」
手を叩き、壊れた食器に手をかざし何かつぶやいた。ドン!!という音ととも
に、食器が、きれいになってきた。
「これが錬金術。私はまだ修行中だから、音波の陣だと直したり、壊したりしか
できないけど。」
「すごいわね。」
ケイナは唖然とした。
「でも、人々は、この力を富のためや、人を殺すために使った。このままじゃあ、
危ないと思ったから、オーディン様は錬金術師と召喚術師を、全員アースガル
ドへこさせた。だから、錬金術は、地上では成立しなくなったんだよ。」
フレイヤは話を続けた。
「召喚術、多分ここのとはまったくことなってると思うし。ぐりんちゃんは、フ
レイ様の本当のグリンブルスティの曾孫で、アースガルドから召喚したんだ
よ。」
「そうなのか。」
「あの、変な騎士団に捕まったときも、空飛ぶ黄金のイノシシ、グリンブルステ
ィのぐりんちゃんがいたからこそ、撒いて逃げてこれたんだよ。」
「まいたぁ?!」
全員、ぐりんちゃんと顔を合わせて、ねーvといっているフレイヤをおそろし
やという目で見たというのは、アメルの日記にあつく書かれた。

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