お祭
ジャキーニ達を叩きのめした夏美たちは、うきうきと祭りへ行く準備をしてい
た。
「ナツミさん。」
フレイヤは、心配そうな顔をして、夏美の部屋にはいってきた。
「どうしたの?フレイヤちゃん。」
「悪魔にとりつかれた人をみたことがある?」
突然変なことをフレイヤは言った。
「?いや、ないけど?」
「そうか。昨日ネスティさんに、この世界の事を教えてもらったんだけど、ちょ
っと気になるところがあって。」
「どんな?私もこの世界の住人じゃないから、質問には答えてあげられないかも
知れないけど。」
「かすかにですけど、私がとらえられた時に、変な感じがする人にあったの。ア
ースガルドにいたときにも良くあった気配なんだけど。ネクロマンサー、死体使
いが使う、召喚悪魔の気配によく似てたんだ。この世界では、憑依術とかある
の?」
「あることは、あるけど・・・・。ここでは、悪魔は召喚師がいないと人に憑依
することはできなかったと思うよ。」
「そうか・・・・。じゃあ私の勘違いだね、変なこと聞いてごめんなさい。あ、
そうそうバノッサさんが、早くしろって言ってたよ。」
ドアに向かいながらフレイヤは謝った。
「え?急がなくちゃね。」
夏美はばたばたとしたくをして、玄関へ突っ走った。
デグレアでは―
「レイム様、起きないねえ。」
レイムは、フレイヤに蹴っ飛ばされて、気を失っていた。
「まあ、蹴っ飛ばされただけだから、何とかなるだろう。」
キュラーは、水を持ってきながら言った。突然レイムはがばっと起きた。
「あー、おはようございます―レイム様。」
「おはようございます、ビーニャ。フレイヤさんは捕獲できましたか?」
「申し訳ありません、レイム様、逃げられました。」
ガレアノはすまなそうに言った。
「欲しいです、あのフレイヤという娘。」
レイムは、遠い目をして、言った。
「戦力としてですかぁ?レイムさまぁ?」
「違いますよ、ビーニャ。それもありますが、是非そばに置いておきたいです。」
「それでこれからどうするのですか?レイム様。」
キュラーは、カーテンを開けながらいった。
「フレイヤさんを捕まえます。ファナンで、お祭りがあるはずです。きっとフレ
イヤさんも、来ている筈。ビーニャ、イオスとルヴァイドをよんでください。皆
で言ったほうが、お祭りは楽しいですからね。」
レイムは、フフフフフ、と笑いながら言った。
「う〜ん。」
フレイヤは、ネスティから借りた、参考書とにらめっこをしていた。
「やっぱり、遊びたいな。でもアースガルドに帰れないうちは、この世界を勉強
しておかないと。」
ぱたふ、と参考書を閉じ机の上に置くと、ベッドの上に沈んだ。
「お祭、行こうかな・・・・・。」
黄金のイノシシのグリンブルスティは、小さくなってベッドの上で眠っている。
「ぐりんちゃん、お祭行こうか・・・・。」
「・・・ぷ?」
むくりと、ぐりんは起きるとフレイヤの頭の上に乗った。
「じゃあ、行こうか。」
「ふん、ふふ〜んvふっれいっやさんはどっこでしょう〜?」
レイム達一行は、屋台を見回りながら、フレイヤを探していた。少し外れてい
るいているのは、ルヴァイドとイオス。
「ルヴァイド様、レイムは一体何を考えているのでしょう?」
「わからない。だが、彼女にとってはとてつもなく恐ろしいだろうな。」
レイムを後ろから見ながらルヴァイドは言った。
「元老から彼女を捕らえろと命令は出ていない。彼女が、怖がっているようなら、
助けてやるか?イオス。」
「僕は、助けます。」
「なら、助けるか。」
ビーニャは、あ、ときずいたように、向こうを指差した。フレイヤが、イノシ
シと一緒に何か食べている。
「フレイヤさああああぁぁぁぁあああああんんんん!!!!!!!」
レイムは、フレイヤに向かって走りながら、叫んだ。名前を呼ばれてきずいたフ
レイヤは、ぐりんを頭に乗せ、走って逃げた。
「何で、何であの男がここにいるのよ?」
時々後ろを振り返りながら、フレイヤは逃げていた。突然誰かに腕をつかまれ
た。
「?!」
フレイヤの腕をつかんだのは、イオスだった。
「はなしてよ、早くしないとあの男が来ちゃうの!!」
じたばたもがきながら、イオスを睨んだ。
「君を、レイムにわたすわけではない、暴れるな。」
「え?」
「レイムは私情でお前を欲しがっているんだ。いやだと言うんだったら、祭りの
間、用心棒になる。早いとこ、レイムを引きずって帰りたいがな。」
ルヴァイドは、ぽすぽすと、フレイヤの頭を叩きながら言った。
「あの男から守ってくれるの?」
「そうだ。」
「じゃあ、約束して、お祭の間は、アメルにあっても、捕まえようとしないって。」
「約束しよう。」
「フレイヤさあああああああぁぁぁぁぁん!!!!!」
レイムが、走って追いついてきた。
「じゃあ、さっそく逃げるぞ!!」
本格的な追いかけっこが始まった。
Back