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空座高校の女豹

 

毎朝毎朝、思うんだけど。

お隣がうるさい。

「起こしに来なくていいって言ってるでしょっ!何度いたらわかんの!」

「しかしこれは、お頭の命令でして。」

「大体、カギかけてんのにどうやって入ってきてんのよ!」

などという声が聞こえる。

しかし、私がいつも家を出る頃にはその家の住人はいない。

 

 

 

 

 

ちゃーん。」

桃ちゃんが呼んだ。

「なに?」

「あのね、放課後部活終わってから、バスケ部の一年が体育館倉庫に来てほしいって。」

「またか、まだすべて広がってないのかな、あれ。」

「そうなんじゃない?」

「めんどくさーい。」

「すっぽかせば?」

「後が怖いからね、男子って。だから、むやみやたらとそんなことも出来ないわけよ。」

「まあがんばって。」

「うん。」

 

 

 

 

 

「俺、変な噂聞いたんだけど。」

とお昼に啓吾が言った。

「なんだよ、変な噂って。」

と一護。

「マン研部の部長の乃村先輩が、今、空座の悪の勢力では、一番強いって。」

「はい?だってあの変な先輩が?」

恋次。

「うん、木刀持った、小さな女が、この学校の不良を沈めていってるって噂。」

と再び啓吾。

「変ではないな、実際あの先輩かなり小さいし。」

イヅル。

「そういう人もいるんだろうね、先輩めちゃくちゃ頭いいよ。」

が言うのに皆驚いていた。

「そうなのか?俺あの人てっきり馬鹿だと思っていたけど。」

冬獅郎。

「うん、でも中間テストで一番だったよ。」

と再び

 

一方その頃。乃村智明と一人の女子。

「あの、先輩。」

「ん?どうした。」

「私変なことを聞いてしまったんですけど。」

その内容を聞いた。

「ふうん・・・・、ありがと、もしその後なんかあったらいってね。」

女子に微笑みかけ、一旦教室へ向かう。

「さて、どこから手に入れようかな。」

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたっ!」

と、一礼したあと、部活の後片付けをし、更衣室へと向かう。

その中にもいた。

その顔は、まさに憂鬱といった表現が適切だった。

「めんどくさーい。」

「また交際の申し込みか?」

と修兵が心配そうに言った。

「うん。」

「大変だな。」

「うん。」

「俺も付いて行ってやろうか?」

「いや、いいよ。玄関のとこで待ってて。」

「ん、わかった。」

着替えをし終わり、桃に見送られては体育館倉庫へ向かった。

入れ替わりにやってきたのは、乃村先輩だった。

「や☆ごめん桃ちゃん、ちょっと木刀貸してくれる?」

「え?いいですけど?」

「ちょっと血がついても気にしないでね。あと、志波、檜佐木、黒崎、日番谷ってどこにいる?」

「さあ?多分、更衣室の前でだらけてるんじゃないですか?黒崎君は判りませんけど。」

なにやらものすごいオーラが、乃村先輩から出ている。

「そ、わかったありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、なんですか?」

体育館倉庫に入ったら、ドアを閉められた。

男が十数人。

その中から一人、進み出てきた。

「率直に言おう、俺と付き合ってほしい。」

まずいなと思った。

この状況は圧倒的に不利だ。

「ムリ、修兵いるから。じゃ、そういうことで。」

逃げようとしても、逃げられない、と思った。

絶対、入学式の時のようには行かない。

「っと、まってくれ。」

手首をつかまれ、引き止められる。

「なれなれしくさわるんじゃなっ・・・・・・」

バチィッ!!!

という音がした。

私はよろめく。

「ダメだっつーならヤらしてもらうぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「早く来いっ!」

木刀持った乃村先輩がせかす。

「何が起きてるんですか?!」

と恋次が聞く。

ちゃんの純潔が汚されても言い訳?!」

「純っ・・・・・だめに決まってるだろ!」

と、日番谷が、顔を真っ赤にしている。

「よし、全員集まったな、じゃ、体育館倉庫へ行くよ!」

案の定、体育館倉庫前のドアには見張りがいた。

「黒崎、志波、行け。」

「え゛?」

「静かにおとしてこい。」

乃村先輩は、真面目なきりっとした顔はしていたが、
後ろのオーラは、ものすごかった。

「「はいっ!行かせて頂きます!」」

一瞬で、終わり、

「私がいく。殴りあう音が聞こえたら入って来い。」

そういうと、木刀片手に、先輩は勢いよく扉おあけ、入っていった。

 

 

 

 

 

「はいちょっとごめんよ。」

つかつかと入ってきたのは木刀を持った一人の女子。

「なんだてめえ?」

涙目でよく見えないけど、乃村先輩?

「殴りかかる前に、ちゃんをこちらに返してもらおう。」

ぴらっと、見せられた写真。

「別にこの写真もらってもいいよ?ネガは私が持ってるわけだし。」

「・・・・・・判った。」

「おーおー。物分りのいい後輩ちゃん。じゃちゃんをこっちに。」

「ああ、いけ。」

私は乃村先輩の方にドンと押されていった。

「じゃあ、帰ろうか。」

しっかりと私の手を握った先輩。

「ちょっと待て話が違う。」

「なにもちがわないよ。私は、ちゃんを返せって言っただけ。
返したらこの写真わたすとは一言もいってないよ。」

にやりとする。

そして、その先輩の邪悪な微笑みに、一瞬男子が引いた。

「だいいち、君達が、私にかかってきた所で、皆負けんのは目に見えてるよ。
そういうわけだから、じゃあ、穏便に、ね?」

ひらひらと、手を振って体育館倉庫を出て行こうとすると。

「待て、このチビ!!」

あ、それは先輩には言ってはいけない。

ごドンッ!!と、先輩の持っていた木刀が、相手の鳩尾に入った。

「まだこの学校に入って間もない小僧が、私に歯向かおうとな・・・・・?」

殺気がする。

先輩の。

音に反応して、修兵達が入ってきた。

しかしかれらも彼女の殺気にビビっている。

「いーい度胸だ貴様・・・・・極道の中で生きてきた目上の者に
逆らうとどうなるか・・・・・・きっちりがっつり叩き込んでやる!!」

 

 

 

 

帰り道。私は、乃村先輩や一年男子剣道部の面々と帰っていた。

「大丈夫?どこか痛くない?」

心配そうに乃村先輩が私を見上げる。

「私は大丈夫ですけど・・・・、先輩、彼等がビビってます。」

「の、乃村先輩・・・・ヤ@ザのお嬢さんだったんですか?」

恋次が震えている。

「いや、過去の話。きれるとああいう風になるけど、今は全く違うよ。」

「そうっすか。」

「うん、でも不良たちを絞めてまわってるのはほんと。」

「ソウッスカ・・・・。」

「まあでも、先生達の信用は得てるし、いつもは優しい先輩だから。
家から縁を切るために色々努力してるんだけど。じゃあ、私の家、ここだから。」

そう言って入っていったのは、私の家の隣。

つまり、あのうるさいのは、乃村先輩だった。