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偽彼氏を作る

 

いつものように、あたしは家を出た。

校門の前で一呼吸おいて玄関までもみちを全力疾走。

じゃないと、色々な、女子に絡まれる・・・・・!

勘弁してよ。

あ、まてよ。

女子だって、わからせりゃ良いんじゃん。

でもな、お父さんが言ってくれた事は大切にしたい。

でも、いまはそれどころじゃない。

「あ!君だ!」

と、後ろから声がする。

くーん!!これ貰って――――!!!」

そら早速きやがった。

こんな日が始まって、もう二週間。

女子から、逃げる。

そんな日が続いていた。

うん、仕方が無い、いやだけど、いやだけど。

女子の制服着よう!!

そしたら女子は、あたしの事を女だとちゃんとわかってくれて

皆女子は寄り付かなくなるはず。

男とみまちがえる事がなくなるはずだ。

勢いよく、靴箱の前で止まると、阿散井が居た。

「お、はよ、。」

「・・・・おはよう、阿散井。助けてくれ。これを見てくれ。」

あたしは、自分の靴箱を指差した。

ちょびっとはみ出ている封筒。

「あ゛ー・・・・・。そりゃ無理だ。」

「そりゃそうだよね・・・・・」

「すまん、そればかりは助けてやれない。」

「良いや、やっぱり女子の制服着るから。」

あたしがぽつり、というと阿散井は吃驚した。

「な、なんでっ・・・・・!」

「仕方ないよ、あたしはこんな生活をしたいわけじゃないもの。
じゃあ、あたし行くね、1時間目から、小テストあるし。」

あたしは、靴箱のふたを開け、落ちてきた封筒、もといラブレターを鞄へいれる。

げんなりしたあたしの顔を見て、阿散井は、いった。

「まあ、助けてやれる事があったら言えや。」

と。

 

 

 

 

 

とりあえず、一通り手紙はよんで。

そして、手紙を返しにいく。

少々相手には酷かもしれないが、こっちは女だ。

中にはあたしを女だと知って、呼び出す男も居る。

でもそんな奴も振る。

だって、顔だけで選んでほしくない。

全く知らない奴と付き合うのなんてごめんだし。

今日は、三年生が、5人。

二年生が2人。

一年生が7人。

男子が2人か。

面倒くさいけど。

お昼休みに返しに行こう。

 

 

 

 

 

 

「先輩・・・気持ちは嬉しいのですが・・・・。」

結構美人な先輩だった。

けど、女だし、そんな趣味ないっつーの。

「どうしてかしら?」

「女なんです、あたし。」

「えっ・・・・・・。うそでしょ?」

「ウソじゃないです。あたしは、近々女子の制服を着て登校します。
もし、あたしを他に狙っている人がいたら、言っておいて下さい。
は男じゃなくて、女だって。それじゃあ。」

 

さんお願いしますっ!俺らの誰かとお付き合いをお願いします!!」

男が5人。威勢のいいやつ等。二年生だけど。
付き合う義理はこれっほちも無いしね。

「すみません、それに答える事は出来ません。」

 

そんなことをこの二週間続けてきた。

そしてあたしは屋上に駆け上がって。

その場にいたのは、黒崎、浅野、阿散井、日番谷、
織姫、竜貴。後一人知らない奴。

「浅野!パンかっといてくれてアリガト!」

と、扉を開けるなり言った。

「どおいたしまして!にしてもよ、ちゃん・・・・。」

浅野は、パンを見つつ言った。

「こんなに食べるのか?」

パン三つ。

一つは、カレーパン。

あとのふたつは、メロンパン。

「え?だって、お腹すくじゃん。」

パリっと、袋を開けつつ言う。

あたしは、知らない奴のほうを見た。

「そちらはどちら様?」

「あ、俺、檜佐木修兵。阿散井と幼馴染。きいてるぜ、
ちょっと男顔のすっげえ美人って。俺が見た感じとしては、
別に男顔ではないけれど。すッごいかわいいじゃん。」

にひひ、と檜佐木は笑ってあたしを誉めてくれた。

かっこいい、といわれたことは山ほど有るけど、
かわいいといわれたのは初めてだ。

「あ、アリガト・・・・。かっこいいとは山ほど言われるけど、
かわいいって、いってくれたのは、檜佐木がはじめてだよ。」

にっこりと笑うと、その場に居た男子は顔が赤くなる。

嬉しくって、ニコニコ笑いながらあたしはパンを食べ終わった。

 

 

 

 

放課後、あたしは職員室にいって、制服の注文書を貰った。

「なに、もう一着買うの?」

先生が聞いた。

「あ、あの、女子の服に替えようかな―っと。」

「あー、うんうん。目立つからねー君は。何回か
げんなりした顔で、手紙を鞄に詰めてるの見たよ。」

「は、はあ・・・・。」

「はいこれ、注文書。今日出せば、多分明日には届くから。」

「はい、ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

「何?制服を買い換えるだと?」

少し百哉さんは驚いていた。

「はい、だめですか?」

「いや、いい。、周りが、男顔だといおうが、お前は女だ。
女子の制服を着ても、構わないはずだ。明日には届くのだろう?」

「はい。あ、百哉さん。」

「百哉でいい。」

「百哉、あのあたしいつから店に出ればいいですか?」

「もう少し先まで出なくていい。あと、部活に何か入れ。
じゃないと、高校はつまらない物だ。俺が入ってなかったから言うんだが。」

「考えておきます。」

 

 

 

 

 

 

 

次の日。

あたしが学校から帰ってくると、制服が届いていた。

明日の朝まで、着ないで置こう。

なんとなく。アイロンはかけても。

あー、部活動どこに入ろうかなー。

めんどくさいからマネージャーとか?

うん。そうしよう、何かのマネージャーになろう。

 

 

そのまた次の日。

あたしは、走らず玄関までいった。

誰も気付いてない、多分。

今日も手紙はあった。

でも、一通だけ。

うわ、珍しい。

ま、いいや、一人だけですむもんね。

「え?どっかの部活のマネージャーがあいてないか?」

あたしは、手始めに、黒崎に聞いてみた。

「それなら、剣道部がマネージャーほしいって言ってたような。
阿散井なら知ってるはずだぜ、あいつ剣道部だから。」

「剣道部?ありがとう黒崎!!」

あたしは急いで、阿散井のクラスにいった。

「あ、いたいた。阿散井!!」

赤い髪のポニーテール。

「ん゛?おまッ、かッ?!」

吃驚している。まあそうか。

女だとしっていても。

「うん、そうだよ、でね、阿散井。」

あたしは、阿散井を見上げた。

「な、なんだよ・・?」

「剣道部のマネージャーって、今居ない?」

「おお!いねえよ、入ってくれるのか?!」

「うん・・・・、何でそんなに喜んでるの?」

「いや、自分達で麦茶作るの面倒でよ!先輩達と、
マネージャーがほしいって話してたところなんだ!
オイ日番谷!が、剣道部のマネージャーになってくれるってよっ!!」

いつの間にやら、日番谷がすぐそばにいた。

「おう、きいた。じゃあ、今日からよろしくな、。」

「うん!」

それと同時に、チャイムが鳴った。

あたしは急いで、教室へと駆け込んだ。

そんな後姿を見ているのは3人。

阿散井と日番谷と檜佐木。

「いいねえ、あの太股。」

「綺麗な首筋。」

「すらっとした足。」

そのセリフを誰がどれを言ったかはご想像にお任せしよう。

 

 

 

 

 

 

さん、ちょっと音楽準備室まできてもらえるか?」

またもや知らない男に声をかけられる。

「え?いいですけど、手短に。」

 

さん!好きです!付き合って下さい!!』

また男子に詰め寄られんのか。

「ごめんなさい、あたし・・・・。」

「か、彼氏居るんスか?!」

あたしは、その言葉でぴんときた。

「居るわよ、だから、困るの。」

もちろんウソだ、居るわけが無い。

でも、こうでもしなきゃ、うるさいよな、回りが。

うん、でももしもの時のために何とかしなくちゃ。

 

 

「あ、その子?新しいマネージャーって。」

先輩の一人が言った。

「はいよろしくお願いします。すみません、今日は、
体操服持って来てなくて。今日は制服でやらせてもらいます。」

「あ、ううん、いいのよ。あたし、伊勢七緒。二年なの、よろしくね。
あと女子は・・・・あ、桃ちゃん!」

一人、お団子結びの子が居た。

「はいなんですか?先輩。」

とてとてと、走ってくる。

「新しく入った、マネージャーさん。」

「あ、よろしく、えと、さんだったよね。」

桃はぺこりと頭を下げる。

「よ、よろしく。」

「じゃあ、また他の女子部員が着たら紹介するから。」

七緒は、忙しそうにどこかへいった。

武道館の玄関で、男子が5人固まっていた。

阿散井と日番谷と檜佐木と黒崎とあともう一人。

黒崎だけが、剣道着を着ていない。

「なにやってんの?」

「お?か。」

阿散井が振り向いた。

「あ、この子?例の女の子にもてる女の子って。」

知らない奴が言った。

「ああ、そうだ。」

「えっと、どちらさま?」

あたしは、金髪の人を見た。

「あ、僕は吉良イヅル。同じ剣道部だよ。」

「よろしくね、で、なにやってんのさ?」

「暑いからよ、涼んでんだ。」

と日番谷が言う。

さあっと風が吹いてきた。

「あ、そうそう、あのね、相談なんだけど。」

『何だ?』

その場に居た男子全員がハモって答えた。

「誰か、偽彼氏になってくれない?」

偽彼氏。まあ、彼氏もどきという奴で。別に誰かと付き合いたいわけではなく
本来はストーカーなどにあっている人が、自分は恋人が居ますよ、という
防御へきのことだ。まあ、でも普通ならば、その彼氏もどきになった奴が、
色々嫌がらせなどをうける可能性があるので、人はしっかり選びましょう。

しかしの場合、ただこれ以上告白されるのが嫌なだけです。

『はいはいはい!!』

と、全員が手をあげた。

「いいの?」

『おうとも!!』

「じゃあ、そうだね、一人でいいからじゃんけんで決めようか。
勝った人にお願いしよう。」

 

「じゃんけんぽん!!あいこでしょっ!!あいこでしょっ!!あいこでしょっ・・・・・」

 

 

それから、数分後。

「お、決まった?」

「おう!俺だ!!」

檜佐木が、しゅビッと、手をあげた。

「あー、じゃあよろしくね、修兵、ボディーガードを頼みます。」

他の沈んでる男子を見て。

「麦茶持ってきてあげるから、復活しな。」

しばらくすると、が、麦茶を持ってきた。

「はいもってきたよ。って、なにみてんの。」

男子達全員の顔は、チアリーディング部のほうへ向いていた。

「いや、チア部って色気ありそうでないよな、とおもって。」

ボケっと日番谷がいった。

「にしては、みてんじゃないの。」

「アンダースコートはいてるから、色気がねえ。」

と、阿散井。

「っと、色気があって、かつ間近でパンツ見れる女の子はっけーんV」

と、修兵。

す、と横においてあった竹刀を持ち。

「一瞬で生で間近だぜっ!とくと見やがれっ!!」

竹刀の切先が捉えたのは、のスカート。

そして、を勢いよく捲る。

ぱさっと言う音がして。

『おおおおおお!!!』

という、感嘆が。

は、かあああっとと顔を紅くした。

そして、ぼたぼたっと麦茶を落とした。

「やっぱ癒し系だなっ!」

ぐっと親首を立てた修兵。

俯いて、骨をぱきっ・・・・こきっ・・・・・、と
いわせている。

「覚悟はできてんだろうなぁ、テメェ等?」

いつものの声より、だいぶ低かった。

 

 

 

 

しばらくお待ち下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、さん、あそこに居る男子どうしたの?」

桃が、武道館の玄関に転がっている男子達を指差した。

「え―?あたししらなーい。」

は、何も知らないように、笑っていた。

その手には、のものでは無い血がついていたわけだが。

 

 

 

 

――――!!」

あたしが一人で帰ろうとしていると、後ろから修兵の声が聞こえた。

あたしは無視した。

―――――――!!!!!」

無視。

のパンツの色は、あ「何セクハラしてんのよ!!!!」

怒鳴って振り返ると、修兵が居た。

「へへへっ、やっと振り向いてくれた。さっきはすまんかった。」

「いいよ別に。ただその代わり今度パフェおごれ。」

「え、それで許してくれんの?」

「うん。」

「じゃあ、一緒に手つないで帰ろうぜ。」

「はあ?」

「まあ、いちおう・・・・・、なわけだし。」

修兵は少し照れていた。