安心の刻
レイムたちを倒してから1年・・・。
バノッサ、夏美、他のフラットのメンバーたちは、トリス達と一緒に、フロト湿原にピクニックにきていた。
「いいところだねえ。」
夏美は、バノッサに、お茶をわたしながらいった。
「弁当も楽しみだしな。」
「もう、それしか楽しみないの?せっかくこんな所まで来てるんだからさ、なんかして遊ぼうよ。」
「あ?いやだ、めんどくさい。」
バノッサは、そういうと、ごろりとねころんだ。
「もう・・・。」
と夏美は、ため息をつくと、
「ね、ひざまくら、してあげよっか?」
「は?」
「だってサ、した草で、髪の毛についたりすると、後でとるのたいへんじゃん。だから、ね?」
「でも・・・・。」
「いいよ、大丈夫だって。」
「じゃあ、お言葉に、あまえようかな。」
夏美は、お姉さん座りをすると、ぽんぽんと、ひざをたたいた。
バノッサは、おずおずと、夏美のひざに、頭をのせる。
「どうかな?高さ、ちょうどいい?」
「ああ。そういえば、膝枕してもらうのも、何年ぶりかな・・・。」
「え?」
「ちっせえころな、母さんに、やってもらったことがあるんだ。」
「バノッサのお母さんって、どんな人だったの?」
「やさしくて、きれいで、母さんの、そばにいると、とても安心したんだ。」
「ふーん・・・。」
「でも、あいつが、母さんを捨てたと知ったときは・・・。」
「バノッサ・・・・。」
「・・・・。」
そんな様子を、岩陰から見るのは、ジンガ、エルジン、スウォン、ローカス。
「いいなあ、俺っちも、アネゴに膝枕してもらいたい・・・。」
「うらやましい。」
「うらやましいですね・・・。」
「それは俺も同じだ・・・・。」
「俺っちが、もうちょっと子供だったら、ああいう風に、甘えられるんだけどな・・・。」
「「「「「あぁ、うらやましい・・・。」」」」
「ねえ、バノッサ?」
「なんだ?」
「今さ、私は、バノッサといて、すごく安心するけどさ、バノッサは私と一緒にいて、安心できる?」
「?ああ、安心できるな。母さんとは違うけど、もっと別の安心感がある。」
「アリガト。」
夏美は、バノッサの額をそっとなでた。
「私じゃあ、バノッサのお母さんの代わりにはなれないけど、私は、バノッサが安心できるような、バノッサのお嫁さんになりたいと思うよ。」
「ぷ、くく・・・、てめぇがか?てめえはしょっちゅう騒ぎを起こすからな。ま、そう安心して暮らせないかもな。」
「そういう意味じゃないよ。バノッサが、私のそばにいてくれたら、私は、安心できるよ。でも、バノッサは?
バノッサが、私がそばにいて安心できなかったら、だめでしょ?だから私は、バノッサが、
そばにいて安心できる人になりたいって思ったの。」
「ふーん。」
「・・・。」
「じゃあ俺は、少し寝るからな。」
「お休み。」
夏美は、ずっとバノッサを見ていたが、眠くなってきたため、膝枕をそっとはずし、バノッサに腕枕をする形で、ねっころがった。
(ん?なんか息苦しい・・・。)
「ん・・・・。」
(・・・・なんだろ、なんか、くちびるにやわらかいものが・・・・!?)
夏美は、目をパッチリ開けた。
夏美の顔の上に、バノッサの顔があった。バノッサが、夏美に、うちゅーっと、キスをしていた。
夏美は、両手で、バノッサも顔をはさむと、ぐいっと離した。
バノッサは、苦笑しながら、
「やっと起きたな、いくらゆすっても、起きないから、強行突破をさしてもらったぞ。」
「だーかーらーってー、キスすることはないでしょう!!」
「さあ、飯だ。弁当あけるぞ。」
「もー。」
夏美は、ため息をつくと、ホニョリと笑って、バノッサの頬に、ちょんと、キスをした。
「・・おい。」
「あはは、さっきのお返し。それともきちんとしたほうがよかったかな?」
「んじゃもう一回・・・。」
バノッサは夏美に、うちゅーっと、キスをした。
「あはは、それじゃあ、おべんと食べよっか。」
といいながら、夏美は、お弁当の包みを出した。
FIN