| My Preferance | |||
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ここではその名の通り私の偏愛するものについて自分勝手に思いを綴ってしまいます。
表現には極力気をつけますがどうかと思う表現がもしありましたら、どうぞご提言下さい。
映画
「親愛なる日記」
1994年製作 仏映画 1995年日本公開
主演、監督:ナンニ・モレッティ
私はとってもこの映画が好きでした。今この時期に言うのもなんですけど。見たのはシャンテシネかなとにかく銀座でこういう映画をやっている所です。ミニシアター系っていうのでしょうか「ベルリン天使の詩」(知ってるひといるかな)とか上映するような。
この映画をひとことで言うと、その道のどなたかもおっしゃっていたように「おいしい水を飲むような」映画です。私はその表現にまさしくその通り!と思ったのです。ストーリーはあるイタリア人の(才能ある)ハンサムな変わった男の人(ご本人ね)がガンを告知され、治療の為イタリア国内あちこち訪れる。べスパ(50ccね)で、船で、一人で、友達と。その様子を愛を込めて綴っているわけなのですがユーモラスというかへんてこりんで楽しいエピソードにの数々。監督の思想や嗜好もかいま見られます。風景がとても美しく、私はこれでイタリアの魅力にやられてしまったのですが、とにかくすがすがしさにあふれているのです。方々の医者を回った挙げ句、誤診だったと判明するのですが、ほっとした彼は最後のシーンでコップに入った水を美味しそうにごくごくと飲みほします。監督はきっとこれを言いたかったのだと思いました。人生とはこういうものであるべき。見たあとの心地よさに感動と感謝。癒されます。
ガンと誤診された事については監督の実話だそうです。
2005年 4/26
「トニー滝谷」
2004年製作 2005年一月公開
主演:イッセー尾形、宮沢りえ 音楽:坂本龍一 監督:市川準
映画でも音楽でも、本当に好きなものについては何も語りたくない。自分の胸に収めておきたい。でも皆に知ってもらいたいマイナーないいものはやはり書いて知ってもらいたい気持ちが勝つ。HPであらかじめ学習したので話の筋もテーマについても分かっていた。HPでここまで載せないほうが良いのでは…と思ったほど種も仕掛けもないシンプルな映画だった。
宮沢りえの透明感ある美しさは驚く程感動的で、イッセー尾形は今さら言うまでもない役作りと演技の上手さ。この作品はまるで彼らのために作ったのかも、とまで思えてしまう。
全体を通して透明感と浮遊感ある美しい作品。
テーマ、この作品が伝えたかったものは見ていて分かる人には分かる、分からない人には見ても分からない、そんな映画なような気がする。私達の世代はこんな感覚に強い親近感を覚えてしまうのかもしれない。自分の存在の不確かさ、頼りなさ。そのはかなさ。
(2005/3/31)
「クロエ」
2001年製作 2002年6月公開
主演:永瀬正敏、ともさかりえ 監督:利重剛
原作はボリス・ウ゛ィアンの「日々の泡」。発表されたのは1947年前後らしいが、話題になり日本でも翻訳された。1982年頃他の作品「墓に唾をかけろ」「心臓抜き」なども書店に平積みになっていた。ウ゛ィアンは天才の呼び名を欲しいままにし、小説家、歌手、レーサー、楽器奏者としても活躍した人。同年代にサガンも流行ったがカポーティやブロンテ姉妹の方が私は好き。でもこの話も嫌いでないの。
ストーリーは、青年高太郎が女の子クロエと出会い、恋に落ち結婚する。がすぐクロエは肺に蓮の花が咲くと言う奇病に倒れる。手術で取り除いたがもう片方の肺にも芽が出る。花があると成長が遅くなるようなので高太郎は毎日花を集める。一方では親友が高太郎が貸した大金を使い果たし借金迄作り返済を迫る人を刺したり大変なことに。
些細な事で職場を首になった高太郎は生活のためにもお金が必要だが、おっとりして特別な技能もないので仕事を選んでいられない。忙しくて二人で過ごす時間が減ってゆく。どんどん悪くなるクロエ、だが最後迄笑顔と愛を失わない。
原作で一番印象強かったのは二人の状況が悪くなるにつれて部屋の入り口が狭くなる所。小説を初めて読んだときは変な話だなあとは感じた。
この映画で改めてなぞると現在の日本とかぶる所が大きいような気がする。永瀬正敏が、やさしい今時の生活感のない青年を上手く演じている。そして些細な事につまずき、自分を顧見ず他者のせいにする弱い若者が多い今の日本。それをも上手く表現している様に見えた。私も若いときの事を振り返ると大きな事言えないのだけど。だが映画は特に社会的なメッセージを前面に出す事なく、絶望的な状況を映し出すのみ。二人は友達をとても大切にするがオカマという社会的に弱い立場の人々で、彼等は悲哀と、人間の性質をつきつめた後最後に本質として残る(と良いなという私の願望)素朴な温かさを端的に表してくれた。
光あふれる画面が良い。日常のしあわせ感にほっとする。ともさかりえの笑顔が素晴らしかった。クロエはこういう女の子なのだ。ラストシーンの永瀬君が特に素晴らしい。私難しい演劇論は分からないってことにしてるけど、彼は本当に素敵な俳優です。興味のある方は見てみて下さい。
(2003 1〜11/9)
「スワロウテイル」
1996年製作 主演:chara,三上博史 監督:岩井俊二
よりによって7年もずっと観よう観ようと思いつついつでも観られると思って観なかった映画。初めから最後まで酔っていたのであまり細部は覚えてない。ただ、テレビドラマ「ケイゾク」の最終回でついに私をも魅了した渡部篤郎ちゃんがここで既に主役を喰っていた。秘密警察官の役。同僚の山口智子も少ししか出てないのにすごくいい。
円に魅了され、円を求める人々。訳も分からず主人公の少女に雇われた子供達が報酬の千円札を破いたり穴をあけて遊ぶ。
ひいては最後の方、三上演じる中国人が拷問の挙げ句死に至り、彼の車を荼毘に臥す。そのとき彼が売り飛ばしたライブハウスを買い戻そうと皆が偽札造りで稼いだお金を燃やす所が良かった。お金が何よ。でも必要なんだなあこれ。大人は辛いぜ。悲しくて酒でも飲まなきゃやってられないぜ。charaは歌上手くない、でもお母さんみたいな全てを許してくれる母性がある。
渡部篤郎は良かったな。
(2003 1/)
「静かな生活」
1995年作品、主演:佐伯日菜子、渡部篤郎
監督:伊丹十三
これもかなり前の映画です。両親のリハビリ旅行中留守をあずかるまあちゃんと知的障害を持つ兄のイーオーと弟のおうちゃんの静かな生活どころか波乱に飛んだ夏の日々。いつでも見られると思うとなかなか見ない、でも人の意見に惑わされる事がないから時期をはずして観るのもよいかも。
話の中で言ってた「なんでもない人として生まれて生きてなんでもない人として死ぬと納得して死ねる」いい言葉です。なんでもない人として私も生きて静かに死にたいです。バランスを取るのが下手な私は物事の大きさや重さをいつでもきちんと測れる人間でいたいというか、そうなりたいです。
ささいな事を大げさに騒ぎ立てるのは馬鹿げています。昔は私も激しい性格でした、自分は特別な何かを持っている、でないと生まれて来た意味がないと自分だけで思い込んでいました。が大人になってそれがいかに馬鹿げた考えで、他人を傷つけるかを知りました。転んでみないと分からないという事もありますが、教えてくれる人がいるのに間違うのは実にもったいないですしまともな人間であれば後悔します。
ここから先は誤って、ペーストする時に消してしまったので記憶によりますが、大切な事をもうひとつ。まあちゃんたちの作家のお父さんが書いた文の中に「人は人の道具ではない」というのがあります。今の世の中人を自分の道具として考えてる人が多すぎる気がします。
(2003 3/28)
音楽
「Heathen」
David Bowie 2002年
1曲めイントロから不思議な安らぎを感じました。何か違う。
「5:15 angels have gone」が特に好きです。悪くない、全く悪く無い。この、音楽と呼べないものが音楽とごった煮にされてる世の中で(日本だけではないような)まるで25年(位)前のような、「自分はロックが、音楽が本当に好きだ」という感動。未知のものに初めて会った時の感動をこの曲でさせてくれました。
音的にはロキシーミュージックのほうが好みだしおそらく上手いと思うんです。でもそれとこの感動は違うようでいて同じ性質のものだから、自分は技術第1には考えてないんだな、と思います。ロックは技術の高い低いじゃない。このアルバムはものすごくロックです。
もともとそんなに鋭角的な音楽作りをしていた時期は長くなかったような気がするけど気のせいですか。
「もういいよ、もがき苦しまなくて。今迄十分苦しんだじゃないか。そんな思いまでしていつまでも若くいることはない。」と言う彼、それでいながらこんなに瑞々しい感性をここに広げて見せ、「新鮮な感動」という最近てっきり死滅したと思っていたものを私に「はい」と言って差し出してくれた。これが奉仕でなくて何であろうか。くうう、ボランティア活動ですか?疲れた心に沁みます。
癒しのボウイと呼ぼうかなこれから。インタビューを読んでもすごく自然体で角がすっかりとれてる感じ。改めて好きになりました。誰もがこんな風に年を重ねて行けたら言うことないのに、と思いました。(きっとブライアン・フェリーも相変わらず素敵な年の取り方をしていると思います。)
(2004/2/17)
「グッド・バイ」
森田童子
1975年 ポリドール
私の今一番欲しいCD、でもあいにく在庫はないそう。発売された時は中学生だが流行ったときには高校生で多感で世間知らずな少女。恋もしていた。その文学的な詩、男性か女性かも写真ではわからないルックスとは裏腹に、甘く繊細で美しい歌声のとりことなった。
学生運動の終わった後に作られたこの歌達はひとりのお友達に捧げられたものと言う事だった。ラジオでひっきりなしにかかっていた「さよならぼくのともだち」「センチメンタル通り」、現在某テレビドラマで使われている「淋しい雲」などがこのアルバムには納められている。次の「マザー・スカイ」を買ったが何度か聴いているうちなんとも辛くなり意識的に離れた。当時親しい友達の彼氏がファンで、3枚めの「A BOY」なども友達が借りてくれたので聴きはしたし好きは好きだったけど。
いろいろと影響されている。一時は卒業したつもりだったのに本当はまだだった。
当時私にはふたつ年上の、東京でデザイン専門学校に通う友達がいたが、高校迄は「女は嫌、男の子のように生きたい」と思っていたそう。森田童子さんも同じ事を考えていたのかな、とふと思う。この文を書いている2/5、テレビドラマ主題歌と言う事でまた「僕たちの失敗」(「マザー・スカイ」収録)のシングル発売。今もあの美しいメロディーとやりきれない詩にうっとりとする。
(2003 2/5)
「TOKYO JOE The best of Bryan Ferry &Roxy Music」
ブライアンフェリー、ロキシーミュージック
(2001年頃?)
忘れてましたこの人とこのグループ。昔からある意味私の一番好きなアーティストです。5.6年前木村拓哉主演のドラマがきっかけで日本でも一部差し替えて作られたこのベスト盤。名曲「Tokyo Joe」他「ウ゛ァージニア・プレイン」「はげしい雨が降る」「恋はドラッグ」など聞きごたえ最高のアルバム。ブライアン・フェリーは理想の男性である他、その完璧主義ぶりは今やアーティストと呼べる数少ないお方です。
前期の荒々しい情熱あり後期の静かな洗練あり、幅広いファンの要求に答えられていそうなその選曲のセンスの良さ、一番のおすすめです。
(2003 5/9)
本
「ビートニクス コヨーテ、荒地を往く」
佐野元春
2007年9月 幻冬舎
なかなか読まなかったのは、ビートニクスが分からなかったから。でもファンなので読んでも損はないだろう位に思って読んでみたら、ちゃんと理解できた。彼がレコーディングのためニューヨークで暮らした時に知り合った人々、1960年代に時代にかなりさきがけて行動を起こしていたその詩人たちにインタビューした時の事。
1960年代にも「不都合な真実」は誰も気に止めようとしなかった。彼等の行動や作品も、麻薬だとか何だとかスキャンダラスな面ばかり注目される事が多かった。後半はその時のインタビューの内容だ。ここには佐野元春というロックミュージシャン、詩人など肩書きはどうでも良いが、自分の伝えたいメッセージを出来る限り伝える事に熱心で誠実なアーティストの姿勢が表われている。自分がどこから来たのか彼はよく知っているのだと思う。人としてもその優秀さはうらやましい。題材に比べて文章がとても読みやすいのでその点でもお勧め。 (2008年1/25)
「人生らしいね」
小泉今日子 1988年 マガジンハウス
ライター吉見佑子さんの名前はクレジットにはないけれど、kyon2の写真を吉見さんが2年間に渡って撮り、日々のつぶやきを文字にして長いキャプションみたいにくっつけた本。二人の合作と私は勝手に思っている。
しかし19歳から21歳にかけて出てくる言葉の大人さ。人生の糧となる言葉が一杯。「考えてわかることなんかないんだもん今日の雨と同じように」とか「わがまま嫌いなの、ほんとはわがままだけど、他人に弱味を見せるの嫌だから」とか「普段と落差のあるひと嫌。強そうな弱い人より弱そうな強い人がいい」などなど。
落ち込むと読み返してパワーをもらう事もあった。kyon2偉大。
(2003 5/5)
「表参道のアリスより」
高橋靖子 1976年 大和書房
いつかどこかで言おうと思っていた、日本で初のスタイリストになった高橋靖子さんのエッセイ集。出版後何年かして初めて入った本屋で吸い寄せられるようにその本の前に行き手に取ったのは16歳の時?(田舎でした)「日本初のスタイリスト」と言う人は後に何人も出て来たけれど私はこの人が本当の初ではないかと思ってます。
エッセイは要するにエッセイです。自分の過去にこんな事があったとか周りの人にこんな事が起こったとか創作も交えてお伽話風に描かれています。スタイリストなんて大変な仕事をいとも軽快にやってるかのような文体でありながら、著者を含めてそこに見える様々な人々の思いにはなかなか重たいものがあります人生です。ビートルズの曲が絡んだ思い出やグラムロックに関わる仕事をした時の思い出なども。
あくまで印象は暖かな日差し一杯の公園のベンチに座り、ペンを走らせてると隣にで恋人がうたたね寝、そんな可愛くてお洒落で大人な本です。(今は取り寄せもできないようなのが残念です。)
(2003 5/5〜2004 8/24)
「王国 1」「王国 2」
よしもとばなな 2002年〜2004年 新潮社
著者のライフワークと言うことですこのシリーズ。「1の出た後2も出ましたが、まだ自分の中でつかめていないので1の感想を先に書く事にします」と前回書きましたがよくよく読むと1、2合わせた感想になっています。2を読んでから1の感想を書こうとした私の失敗。すみません。通して下のようなお話です。
主人公は山奥で祖母と薬草を作って暮らしていた女の子。祖母がマルタ島へ行くというので強制的に山から降りた。いわゆる今時の子ではないながら生きて行くのに必要な能力は十分持っていて死活問題になることはないけれどそこは自然の中で育った女の子、都会の人々に?マークを持つその視線は感動的な程澄んでいて鋭いのです。すこしづつ世間になじみながら自分らしさを失なわず、大切なものを得ながら誠実に生きて行くというようなお話です。
自分も北海道の山奥でひと夏を過ごしたことがありましてその後も吹雪で学校が休みになるような町で育ちましたので共通点を感じます。
自然の力に守られて生きている女の子。
この作家さんはよく超能力をとりあげており今回もそうですが今回私は、超能力というのは「人間が自然によって与えられた、生きるために必要な能力」ではないか…という風に強く感じました。第六感とか直感とか言うでしょ。
結局なんだかんだ言っても人間は自然に逆らえません。人間も動物も植物も自然の力によって生かされているのだなあとしみじみ思い、生きていることの幸福を感じました。
雫石という女の子が主人公ですが、この子はほんとに私とそっくりです。波多野は実はこんなことをいつも考えてるんです。
(2004 1/末〜8/24)
「GOGOHEAVENの勇気」
銀色夏生 (1988) 角川文庫
これは20代なのにまだ幼かった私がコンビニで見つけて購入した本。角川文庫で夏生さんの本が沢山出ているのを御存じでしょう。「波間のこぶた」が女子に人気ありましたが、私はこっちが秀逸だと思います。これ一冊に彼女のメッセージとセンスの良さが凝縮されてる気がするのです。あの感性に満ちた独特の文体を確立させてしまった詩人。いつもいつでも、今迄自分が表現できなくてはがゆかったきもちを上手に言葉にしてくれる人に私は弱いのです(佐野元春さんもそうです)。
この本は10代とおぼしき彼女の友人達をモデルに、日常的な風景を撮った写真に、日々のつぶやき、もしくは詩を合わせて物語り風に作った本。何気なくストーリーはありますが結末はありません。甘くて酸っぱく少し苦い青春の一頁なんていうとありていでつまんないのです。「大切なのはどの角度から物事を見るかなんだ」とか「世の中はバランスとタイミング」だとか、他にもいままでもらったことのない人生の真実のアドバイスを得られて、それはもう驚き感動し、すごくその後は生きやすくなったのです。なんて言うか、ダメな時もあるね、みたいなものも…。
彼女はいつも新しい。そして私たちの心の底にある真実を見抜き的確に言葉に表現する、純粋な心を愛するきもちをこめて。佐野元春さんのイノセンスを愛するきもちとはまた違う性質な気がします(わたくしの愛と尊敬は佐野さんのほうに多いわけですが)。天才かもしれないと思うほど。(デビュー前の裕木奈江さんの写真もあります。)
(2006/5/3)